日本各地の変わった寿司ネタ

九州の変わったお寿司

地方の珍しい寿司で変わったものに、鹿児島県の酒ずしというのがあります。 これは寿司酢を使うかわりに日本酒で作る寿司で鹿児島県を代表する郷土料理のひとつです。 日本酒を使うので未成年者はアルコールが入っていそうだけど大丈夫かな、と心配になるかもしれませんが、ご飯に日本酒をかけて調理しそのまま食べるのではなく、 そのまま一晩おいておくのでアルコールは抜けており未成年者でも安心して食べることができます。 アルコール分は抜けていますが日本酒の匂いは残っているので(そのために日本酒を使っているわけですし)お酒の香りが駄目な人は少しだけ酔ってしまうかもしれません。 沖縄には果実を使ったような名前の、海ぶどうの軍艦というのもあります。 海ぶどうは沖縄の代表的な食材で沖縄以外ではなかなか入手できない貴重な食材ですので実物を見たことのない人も多いでしょう。 熱帯地方・亜熱帯地方でのみ生息するそうなので、沖縄県以外では生産されないということです。 この海ぶどうはぶどうという名前ですが果実ではなく、沖縄の海で育った海藻でグリーンキャビアと呼ばれることもあります。 ぶどうの房に似た形の球状になった葉っぱから「海ぶどう」という名前が付けられたそうです。 海ぶどうの軍艦はそのまま軍艦の上に海ぶどうを載せたもので、プチプチしたキャビアにも似た食感と、口の中に広がる磯の香りを楽しめます。

中国・四国地方

この地方でインパクトのある寿司ネタに広島のサメがあります。この地域ではサメはワニと呼ばれ、 昔から食されてきたそうでそれほど珍しい食材というわけでもないようです。 食感は柔らかくて食べやすく、サメを食べたことの無い人、初めてのサメという方は最初に湯引きしたものから食べれば抵抗もないでしょう。 山口県では寿司ネタにクラゲが使われます。クラゲ自体は海水浴に行けば見ることも有り馴染みのある方も多く食べたことがある人もいるでしょうが、 寿司ネタとしてはあまり知られていません。お盆を過ぎて海へ行くと泳ぐのに邪魔な存在で刺されたくないクラゲですが、食感はコリコリとしており食べやすく、 見た目は白くてイカに似ています。高知県では焼いたウツボの握りや軍艦を食べることができます。 ウツボ料理は高知県だけのものではなくこの近辺ではタタキなどでも知られている食材ですが、寿司ネタとしては高知県が有名です。 食感はややむっちりとしており鶏肉に似ています。徳島にはボウゼ(イボダイ)の姿ずしがあります。 徳島の郷土料理に分類されるこの姿ずしは、イボダイを丸々使った頭から尻尾までの見た目になり、見た目も凄いと話題に挙がりやすい料理です。 イボダイを背開きにして酢締めをして酢飯を詰め込むのですが、お皿の上にイボダイがそのまま載っている姿は圧巻でしょう。

近畿地方

京都北部の郷土料理には丹後ばらずしがあります。これは木箱に酢飯とサバのそぼろ、錦糸卵、椎茸などを重ねて作る箱ずしの一種で 寿司屋に限らず他の飲食店やインターネットでの通信販売、鉄道を利用する方なら駅弁でも見かけることがあるでしょう。 現地へ行かなくてもお弁当の形で売られているので、京都のお土産としても重宝されています。 味の方はサバのそぼろと酢飯の組み合わせが絶妙です。 奈良県には柿の葉ずしという、関西人にはお馴染みのお寿司があります。これは柿の葉で包まれた押しずしで、駅の弁当売り場でも販売されているので 近畿・関西地方以外でも知っている方が多い知名度のあるお寿司です。 柿の葉の香り漂うお寿司で、サバや小鯛などの押しずしを味わえます。知名度がある変わったお寿司といえば、滋賀県のフナずしも有名です。 フナの腹に米を詰めてぬか漬けし発酵させる郷土料理で、ぬか漬けなのでにおいも強く初めて食べる人は驚くかもしれません。 最初はとっつきにくく玄人向けのお寿司となりますが、慣れてしまえば病み付きになる味で熱烈なリピーターも多いようです。 和歌山県の昆布巻きずしは、巻きずしで使われる海苔の黒い部分に昆布を使った、その分濃厚な味の巻きずしです。 具はかんぴょうが多いですが、とくにこれじゃなければというものはありません。和歌山県以外にも近隣では見かけるお寿司で、 地域によって具材もいろいろ特徴のあるものに変化します。